カーセットアップ

Asseto Corsaでは下記の項目を調整し、車のセットアップを行います。
1.セットアップデータ保存
2.ギアセットアップ(Gears)
3.タイヤセットアップ(コンパウンド(Compound)、空気圧(Puressuer))
4.燃料搭載量(Fuel)
5.電子制御(Electronics)
6.エアロダイナミクス(Aero)
7.ホイールアライメント(Alignment)
8.ダンパー(Dampers)
9.サスペンション(Suspension)
10.サスペンション-拡張(Suspension Adv.)
11.全般(Generic)
12.ドライブトレイン(Drive Train)
13.アンダーステア対策
14.オーバーステア対策

デフォルトの車のセッティングでも走行可能ですが車の性能を十分に引き出してラップタイムを上げるためにはトラックに合わせた車のセットアップが必要になってきます。
ここでは、Asseto Corsaのカーセットアップガイドなどを参考にし、まとめてみましたので参考にしていただければと思います。
セットアップ画面

1.セットアップデータ保存
セットアップデータ保存
車のセットアップデータはデフォルト値が適用されます。セットアップデータを変更した場合は「Setup I/O」画面でセットアップデータを保存します
セットアップデータを適用するためには「Setup I/O」画面から対象となるデータを「Load」します。


2.ギアセットアップ(Gears)
走行するトラックで車のパワーとトルクを有効に引き出すため最適なエンジン回転数を維持(エンジンのパワーバンドの範囲に収める)できるように各ギアとファイナルギアのギアレシオを最適なギアレシオに設定する必要があります。
Asseto Corsaでは「Gears」画面で1速~8速(車種によって異なります)及びファイナルギアのギアレシオの変更ができます。ただし、無改造のノーマル仕様の車はギアレシオの変更はできません。
ギアセットアップ

設定は下記の手順でギアレシオを変更します。筆者のゲーム経験に基づいた設定方法ですので参考になればと思います。
項目 設定内容
①コースの特徴を把握 最初にコースの特徴を把握する必要があります。ストレートや高速コーナーの多い高速サーキットか中低速コーナーの多いテクニカルサーキットであるかを把握します。
高速サーキットの場合はファイナルギアレシオを調整し各ギアの最高速が伸びる設定にします。テクニカルサーキットの場合はパワーバンドが有効に使えるように各ギア間のギアレシオが接近するクロスレシオに設定します。
デフォルト設定でのギアレシオでセッティング対象のトラックを走行し、ストレートで最高速度が出るまでの車速の伸びや各コーナーでパワーバンドが使えるような適切なギアレシオになっているかを確認します。
②最高速度の設定

最初に対象トラックで一番最高速度が出るストレートでのギアレシオを設定します。
最高速度が出るストレートエンドでトップギアでのエンジン回転数がレッドゾーンに入る直前で最高速度に到達できるかを確認します。
【最高速度に到達する前にレブリミッターが動作する場合】
最高速度に到達する前にレブリミッターが動作して最高速度に到達できない場合はギアレシオが高いためなのでファイナルギアの「+」を押してギアレシオを低くし最高速度を上げます。ストレートエンドでレブリミッターが動作する手前で最高速度に到達できるようにファイナルギアの「+」ボタンを押してギアレシオを調整します。
【ストレートエンドでエンジン回転数にかなり余裕がある場合】
ストレートエンドに到達してもエンジン回転数に余裕があり最高速度に到達するまで加速が鈍いと感じる場合はギアレシオが低すぎるのでファイナルギアの「ー」を押してギアレシオを高くし最高速度を調整します。
最高速の設定方法にはファイナルギアを変更する方法以外にトップギアのみを変更する方法があります。
ファイナルギアを変更した場合にトップギア以外で全体的にギアの繋がりや加速が悪くなった場合にはトップギアのみを変更し最高速度を調整します。トップギアのみギアレシオを変更した場合にトップギアの一段下のギアとのギアレシオが離れ過ぎたり接近し過ぎたりする場合はファイナルギアの設定で最高速度を調整し各ギアのギアレシオを見直す方法が適切かと思います。

③コーナーのギアポジションを決める

最高速度の設定終了後は各コーナーで使用するギアポジションを決め各コーナーでエンジンのパワーバンドが有効に利用できているかを確認します。
【コーナー進入時の設定】
ブレーキングが完了しコーナーへ進入する時に想定しているギアポジションまでシフトダウンが完了できるかを確認します。更に、コーナリング中に使用するギアでパワーバンドから外れていないかを確認し、パワーバンドから外れている場合は使用するギアポジションを変更するかギアレシオを変更し調整します。
【コーナー脱出時の設定】
コーナー脱出に加速が悪い場合はギアを一段下げて加速が良くなるかテストしてみます。コーナー脱出時に直ぐにレブリミッターが動作する場合は使用するギアを一段上げるか、もしくはギアレシオを変更してレブリミッターが直ぐに動作することなく加速出来るかを確認します。低速及び中速コーナーでコーナリング中にシフトチェンジしないようにするのが好ましいです。高速コーナーではコーナリング中にシフトチェンジする対応でも許容範囲です。
例として6段変速の場合、ヘアピンなどの低速コーナーでは1速か2速、中速コーナーでは3速か4速、高速コーナーは5速を使用することを目安にしてコーナリング中やコーナーから次のコーナーまでの間で加速が良くギアが繋っていくかを確認します。

④全体のバランスを検討する

各ギア及びファイナルギアのギアレシオの設定が完了したらテスト走行を行い、データロガーを確認しながらシフトアップ及びシフトダウンのシフトの繋がりがギクシャクしていないか、また、十分な加速が得られているかテスト走行を繰り返して各ギア及びファイナルギアの調整を実施します。

⑤設定の保存 ギアレシオの変更が確定したら設定は名前を付けて保存します。ゲームモードを終了させ再度ゲームモードを起動するとデフォルトの設定値に戻るので変更したセッティングデータは必ず保存を忘れないようにしましょう。


3.タイヤセットアップ(コンパウンド(Compound)、空気圧(Puressuer))
タイヤコンパウンド選択はLapTimeやタイヤの耐久性に大きく影響を受け、予選もしくは本戦のレースかのシチュエーションによっても使用するコンパウンドは異なって来ます。
また、タイヤの耐久性よりもLapTimeを重視するスプリントレースの場合、LapTimeよりもタイヤの耐久性を重視する耐久レースとではコンパウンドの選択が異なって来ます。
各車種で使用できるタイヤをテストした結果と感想を記載しましたので参考にしてください。
タイヤセットアップ

1)ノーマル仕様の車用のタイヤ
車種「BMW M3 E30」でトラック「Spa-Francorchamps」をテスト走行した時のタイヤ温度変化やグリップ性能を記載しました。
コンパウンド種類 1LAP走行後のタイヤ状況 10LAP程度走行後のタイヤの状況 タイヤ特性
Street(ST) 一般公道を走行できるノーマルのストリートカーやスポーツカーが履くタイヤです。
トラック1周程でタイヤ表面温度及びコア温度は65℃前後~75℃前後まで上昇し「Tyers」インジケータはグリーン色になりタイヤのグリップ性能が最大限に発揮できる温度に到達します。周回を重ねてもタイヤ表面温度とコア温度は安定し「Tyers」インジケータはグリーン色を維持します。タイヤグリップ性能は「Semislick(SM)」より低く周回を重ねると徐々にグリップ性能は低下します。サーキットでのスポーツ走行には不向きなタイヤです。
Street 90s(SV)
Street Vintage(SV)
一般公道を走行できるビンテージのノーマルストリートカー及びスポーツカーが履くタイヤで当時のタイヤ特性をシミュレーションしたタイヤです。
「Street(ST)」と比較するとタイヤの温度上昇は速くタイヤの表面温度とコア温度は若干高目です。タイヤの摩耗は「Street(ST)」よりも早くタイヤのグリップ性能も低いのでスポーツ走行向けではありません。
「Street(ST)」と同じラップ(10LAP)走行後のタイヤ摩耗のインジケータではイエローになりタイヤグリップ性能の低下は早いです。
Semislick(SM) ノーマル仕様の車が履くタイヤでサーキットでのスポーツ走行向けです。
タイヤ表面温度は60℃~70℃前後を維持しコア温度は65℃前後で「Tyers」インジケータはずっと青色の状態を維持し「Street(ST)」より発熱し難いタイヤ特性です。「Street(ST)」よりもタイヤ温度は低いですがタイヤのグリップ性能は「Street(ST)」よりも良くノーマル仕様車でのスポーツ走行向けのタイヤです。タイヤ摩耗のインジケーターでは「Street(ST)」よりもタイヤ摩耗量は早いですがタイヤグリップ性能の低下は「Street(ST)」よりも緩やかに進み耐久性のあるタイヤです。

2)スーパーカー仕様の車専用のタイヤ
車種「McLaren P1 」でトラック「Spa-Francorchamps」をテスト走行した時のタイヤ温度変化やグリップ性能を記載しました。
コンパウンド種類 1LAP走行後のタイヤ状況 10LAP程度走行後のタイヤの状況 タイヤ特性
Hypercar Road(HR) スーパーカー専用のストリート用タイヤです。
スーパーカー専用タイヤだけあってグリップ性能はかなり良いです。周回を重ねてもタイヤ表面温度とコア温度は安定し「Tyers」インジケータはグリーン色を維持しオーバーヒートすることはありません。周回を重ねるとタイヤの摩耗は進みますがグリップ性能はタイヤ摩耗インジケータの表示ほど低下しません。長時間のドライビングでも走行は安定しスーパーカー専用タイヤとしては耐久性のあるタイヤです。
Hypercar Trofeo(I) ハイパーカー専用のカットスリックタイヤです。
「Hypercar Road(HR)」よりもタイヤのグリップ性能は良くBestLapTimeを出すことができます。ただし、駆動輪の発熱は早くFR車ではリヤタイヤの方がグリップ性能の低下が早いのステアリング特性はオーバーステア気味になります。

3)F1、GT2、GT3などのレーシングマシン用のタイヤ
GT2マシンの「Ferrari 458 GT2」でトラック「Spa-Francorchamps」をテスト走行した時のタイヤ温度変化やグリップ性能を記載しました。
コンパウンド種類 1LAP走行後のタイヤ状況 10LAP程度走行後のタイヤの状況 タイヤ特性
Slick SuperSoft(SS) F1マシン及びGT2マシンが履くタイヤです。
ピットアウト後、キャメルストレート後半で「Tyers」インジケータは四輪共にグリーン色になりタイヤグリップが最大限に発揮できる状態になります。タイヤに熱が入るのが早いので2周目からタイムアタックに入ることができます。ただし、2周目の最終セクションの高速コーナーでは90℃前後までタイヤ温度が上がり「Tyers」インジケータも赤色になりタイヤにダメージを与えるのでタイヤグリップ性能を維持できるのは2周程度が限界で4周目以降はタイヤのグリップ性能はどんどん悪くなり滑り出してしまいました。5周目には右側の画像のようにタイヤ摩耗インジケータも赤色に変化しタイヤグリップ性能はかなり悪くなり滑りやすくなってしまいます。
タイヤグリップ性能は「Slick Soft(S)」よりも非常に良いですが、タイヤ摩耗やグリップ性能低下が非常に早く耐久性は良くありません。オーバーヒートし易くタイヤなので予選用のタイヤとして利用し、タイムアタックは2周程度と考えた方が良いかと思います。
Slick Soft(S)

F1マシン及びGT2、GT3マシンなどのサーキット専用の車が履くタイヤです。
四輪共に「Tyers」インジケータがグリーン色になるのはコースの中盤以降でした。2周目からタイムアタックに入ることが可能で「Slick SuperSoft(SS)」のようにタイヤがオーバーヒートすることはありませんでした。「Slick SuperSoft(SS)」よりはタイヤグリップ性能は低いですがグリップ性能は緩やかに低下します。左の画像のように11週目にはタイヤ摩耗インジケータが黄色になりますが極端なタイヤグリップ低下は見受けませんでした。

Slick Medium(M) F1マシン及びGT2、GT3マシンなどのサーキット専用の車が履くタイヤです。
タイヤ表面温度及びコア温度が75℃ぐらいになると「Tyers」インジケータはグリーン色になります。ただし、タイヤの温度は上昇し難く温度が下がるのも早いです。「Slick Soft(S)」よりタイヤグリップ性能は低いですがグリップ性能は緩やかに低下するので「Slick Soft(S)」より周回数を延ばすことができます。
Slick Hard(H) F1マシン及びGT2、GT3マシンなどのサーキット専用の車が履くタイヤです。
タイヤ表面温度が85℃を超えた時に「Tyers」インジケータはグリーン色になります。最終セクションの高速コーナーを抜けた時だけ右フロントタイヤがグリーン色になりますが他のタイヤは表面温度が低く青色でした。「Tyers」インジケータはコース全体で青色なのでタイヤグリップが最大限に発揮できる状態にはなりませんでした。タイヤ温度は「Slick Medium(M)」よりも低い状態を維持しタイヤグリップの低下は緩やかなので耐久性に優れ長時間走行に向いたタイヤです。
Slick SuperSoftHard(SH) GT2マシンだけが履くタイヤです。
タイヤ表面温度及びコア温度が75℃ぐらいになっても「Tyers」インジケータは青色でコア温度が75℃を超えることはありませんでした。「Slick Hard(H)」よりもタイヤ温度上昇は少ないですが「Slick Hard(H)」と同程度のタイヤグリップ性能が維持されます。タイヤ温度上昇は「Slick Hard(H)」よりも非常に緩やかで耐久性に優れ長時間走行に向いたタイヤです。

4)70年代から90年代のF1、DTMなどのレーシングマシン用のタイヤ
コンパウンド種類 タイヤ特性
Soft Slick 90s(S)
Medium Slick 90s(M)
Hard Slick 90s(H)
「Porsche 911 GT1 」が履くタイヤです。
タイヤ特性は「Slick Soft(S)」「Slick Medium(M)」「Slick Hard(H)」と似ています。
Qualifying GP86(Q)
Soft Slick GP86(S)
Medium Slick GP86(M)
Hard Slick GP86(H)
「Lotus 98T」のF1マシンが履くタイヤです。
「Qualifying GP86(Q)」は予選用のタイヤでピットアウト直後は「Tyers」インジケータは黄色でタイヤのグリップが低い状態でスタートし1周程度で最適温度に達しグリップ性能も良くなります。ただし、グリップ性能は数週しか持たないのでレースでは使用できません。他のタイヤは「Slick Soft(S)」「Slick Medium(M)」「Slick Hard(H)」と特性が似ています。
Slick Soft DTM90s(S)
Slick Medium DTM90s(M)
Slick Hard DTM90s(H)
「Alfa Romeo 155 Ti V6 ‘93 」「Mercedes Benz 190E 2.5-16 EVO II 」「M3 E30 Group A」のDTMマシン専用のタイヤです。
タイヤ特性は「Slick Soft(S)」「Slick Medium(M)」「Slick Hard(H)」と似ています。
Soft GP70(S)
Hard GP70(H)
「Ferrari 312T」「Lotus 72D」のF1マシンが履くタイヤです。
タイヤ特性は「Slick Soft(S)」「Slick Hard(H)」と似ています。
Soft Slick 80s(S)
Medium Slick 80s(M)
Hard Slick 80s(H)
「Porsche 962c long tail 」「 Porsche 962c short tail」のレーシングマシンが履くタイヤです。
タイヤ特性は「Slick Soft(S)」「Slick Medium(M)」「Slick Hard(H)」と似ています。
Slicks70s(S) 「FORD Escort RS 1600 」で使用できるタイヤでコンパウンドの変更はできません。
Slicks(H) 「ABARTH 500 Assetto Corse 」「Mazda MX-5 CUP 」で使用できるタイヤでコンパウンドの変更はできません。
「ABARTH 500 Assetto Corse 」だと駆動方式がFFでフロント荷重が大きいということもあってかサーキット4~5周でフロントタイヤは70℃台まで発熱しますがリヤタイヤは50℃台までしか発熱しません。タイヤのグリップ性能は緩やかに低下します。
「Mazda MX-5 CUP 」は駆動方式がFRですが前後のタイヤの発熱の温度差はありませんサーキット4~5周で前後タイヤ共に60℃前後の発熱でグリップ性能は安定しています。

5)ビンテージのスポーツカー及びレーシングマシン用のタイヤ
ビンテージの車種(ストリートカー、レーシングマシン)で使用するタイヤでコンパウンドは各車1種類しか用意されていないのでコンパウンドを変更することはできません。
コンパウンド種類 1LAP走行後のタイヤ状況 10LAP程度走行後のタイヤの状況 タイヤ特性
Vintage(V) 「Shelby Cobra 427S/C」「FORD GT40 MKI」「Porsche 908 LH 」「Porsche 917 K」などのビンテージレーシングマシンのスリックタイヤです。
「Porsche 917 K」で「Spa-Francorchamps」をテスト走行しました。タイヤ表面温度が43℃、コア温度が36℃ぐらいで「Slick Soft(S)」よりも低い温度で「Tyers」インジケータはグリーン色になります。周回を重ねてもタイヤ表面温度とコア温度は安定し「Tyers」インジケータはグリーン色でタイヤグリップ性能が発揮できる状態を維持します。タイヤの摩耗やタイヤグリップ性能の低下は少ないです。

コンパウンド種類 タイヤ特性
Vintage 60s(V) 般公道を走行できるビンテージのノーマルストリートカー(Alfa Romeo GTA )が履くタイヤです
Vintage GT70(V70) 「Porsche 911 Carrera RSR 3.0」で使用できるタイヤです。
Vintage 78(V78) 「Porsche 935/78 'Moby Dick'」で使用できるタイヤです。
GT60(V) 「Porsche 718 Spyder RS 」で使用できるタイヤです。
Cinturato(V) 「Lamborghini Miura P400SV」で使用できるタイヤです。
Pirelli Cinturato(V) 「Lamborghini Countach」で使用できるタイヤです。「Lamborghini Countach」は「Street(ST)」「Semislick(SM)」のコンパウンドが選択可能です。
GP54(V) 「Maserati 250F 6C 」で使用できるタイヤです。
GP57(V) 「Maserati 250F T2 12C 」で使用できるタイヤです。
GP63(V) 「Lotus Type 25 」で使用できるタイヤです。
GP67(V) 「Lotus Type 49 」で使用できるタイヤです。

6)タイヤ空気圧(Pressure)
空気圧設定 設定効果
空気圧を上げる ・ステアリングの正確性と敏捷性が良くなります
・トップスピードが上がります。
・タイヤ温度が上昇し難くなります。
・タイヤグリップが低下します。
・フロントタイヤの空気圧を高くした場合→アンダーステア傾向になります。
・リアタイヤの空気圧を高くした場合→オーバーステア傾向になります 。
空気圧を下げる ・ステアリングの正確性と敏捷性が悪くなります。
・トップスピードが下がります。
・トラクションとタイヤグリップが高くなります。
・タイヤ温度が上昇し易くなります。
・フロントタイヤの空気圧を低くした場合→オーバーステア傾向になります。
・リアタイヤの空気圧を低くした場合→アンダーステア傾向になります。


4.燃料搭載量(Fuel)
燃料搭載量設定
車種とトラックによって搭載燃料の周回数が異なるので事前に1周当たりの燃料消費を確認し予選時の周回数、レース周回数に合わせた燃料搭載量を決めます。
走行中に燃料が減ってくると燃料残量の状態に応じて下記の警告灯が点灯します。
警告 説明
画面上に黄色の警告灯が点灯した場合は速めにピットストップし燃料補給が必要です。
オレンジ色の警告灯が点灯した場合は緊急にピットストップし燃料補給が必要です。
燃料が無くなってエンジンストップした場合に点灯します。


5.電子制御(Electronics)
「Traction Control」「ABS」「Hybrid System」の設定を変更します。
電子制御設定

「Traction Control」「ABS」「Hybrid System」を設定できる車種と出来ない車種があり変更できる項目も車種によって異なります。
電子制御装置 設定効果
Traction Control 発進、加速時にタイヤの空転を防止しタイヤの動力が路面に効率良く伝えるための装置です。
設定範囲は車種によって異なりますが「1」~「12」まで設定可能です。設定値が高いと加速が鈍くなりますので設定を変更しLapTimeへの影響を確認しながら設定値を変更します。「Traction Control」を使用しない「OFF」も設定できます。
ABS 「ABS」は「Anti-lock Brake System」の略で急ブレーキなどのブレーキ操作でタイヤがロックしてスリップを防止する装置で制動距離を短くします。設定範囲は車種によって異なりますが「1」~「11」まで設定可能です。設定値を高くするとタイヤはロックしませんが制動距離が長くなることがあるので注意が必要です。ブレーキングポイントができるだけ奥に取れるような設定値にします。
MGUK-Delivery 「MGUK」(Motor Generator Unit - Kinetic)はブレーキング時の運動エネルギーを電気エネルギーに変換しバッテリーに蓄え、回収した電気エネルギーでモーターを駆動しエンジンパワー+αをパワーアシストします。
ブレーキングで回収した電気エネルギーを速度、スロットル開度、ギアポジションに基づき車種別に何種類かのプロファイルが用意されモーターを駆動するパワーアシスト量が設定されています。
Porsche 919 Hybrid :「Charging」「Low aggressive」「High preserve」「High aggressive」「HotLap」
Ferrari SF-15T :「Charging」「Balanced Low」「Balanced High」「Overtake」「Top Speed」「HotLap」
Porsche 918 Spyder:「Sport Hybrid」「Race Hybrid」「HotLap」
McLaren P1 :「Race」「Charging」
「HotLap」設定は最大限にパフォーマンを得る設定になっています。「Charging」設定はモーター駆動でのパワーアシストを受けることはできません。ただし、「Ferrari SF-15T」では「Charging」設定にしても「MGUH-Mode」を「Motor」に設定するとモーター駆動は「20%」のアシストを受けることができます。「Battery」設定だとパワーアシストを受けることはできません。
車の中で「Ctrl」+「2」キーで切り替え可能です。
MGUK-Recovery 「MGUK」による運動エネルギーから電気エネルギーの回収率を設定します。「0%」~「100%」の範囲で「10%」単位に変更可能です。
「Ferrari SF-15T」だけが設定できる項目です。
車の中で「Ctrl」+「1」キーで切り替え可能です。
MGUH-Mode

「MGUH」(Motor Generator Unit - Heat)は排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。「MGUH」が他のパワーユニットとの連動方法を設定します。
「Ferrari SF-15T」だけが設定できる項目です。
・「Motor」モードは排ガスの熱エネルギーを回収し変換した電気エネルギーを「MGUK」へ直接供給しモーター駆動を補完します。
・「Battery」モードは排ガスの熱エネルギーを回収し変換した電気エネルギーをバッテリーに充電します。
車の中で「Ctrl」+「3」キーで切り替え可能です。

Brake-Engine MGUKの回生率を高くした場合、後輪のマイナストルクが多く発生し限界領域でのエンジンブレーキの効果に悪影響が発生します。これを改善するためにエンジンに搭載されているECU(Electronic Control Unit)によって燃料噴射量の割合をコントロールし、エンジンブレーキの効きを変更します。
「Ferrari SF-15T」だけが設定できる項目です。
【設定値を低くする】
・エンジンブレーキの効き具合が悪くなります。
・リアダウンフォースと安定性が向上します。
・燃料消費が多くなります。
【設定値を高くする】
・エンジンブレーキの効き具合が向上します。
・燃料消費が低減します。
「1/13」~「13/13」の範囲で設定可能です。
車の中で「Ctrl」+「4」キーで切り替え可能です。
「Ferrari SF15-T」で「Spa-Francorchamps」をテスト走行した結果、設定値を「13/13」より「1/13」にした方がLapTimeは良かったです。ただし、エンジンブレーキの効きは悪かったです。

インジケーター インジケーター解説
Motor Battery 左の画像の各ラインの色の機能は下記の通りです。
白色ライン:エンジン回転計でレッドゾーンに入った場合はラインが赤色になります。
赤色ライン:ターボ過給圧を表示します。
青色ライン:Hybidによるモーター駆動のパワーアシストの配分が表示されます。
黄色ライン:1周で使用できるバッテリー残量を表示します。(毎週フルチャージされます。)
緑色ライン:回生エネルギー残量を表示します。

左側の画像では「MGUH-Mode」を「Motor」に設定しておりモーター駆動によるパワーアシストは「100%」配分されます。
右側の画像では「MGUH-Mode」を「Battery」に設定しておりモーター駆動によるパワーアシストは「70%」配分されます。
車種は「Ferrari SF-15T」で「MGUK-Delivery」を「HotLap」に設定しています。
Motor 左の両画像ともに「MGUH-Mode」は「Motor」設定になっています。
左側の画像はバッテリー残量がゼロで回生エネルギー残量が有るとモーター駆動によるパワーアシストの配分は「20%」程度です。
右側の画像は回生エネルギーが残量がゼロでバッテリー残量が有るとモーター駆動によるパワーアシストの配分は「20%」程度です。
「Motor」設定ではバッテリー残量もしくは回生エネルギー残量がゼロになるとモーター駆動力は「100%」から「20%」の低下することが分かるかと思います。両方ともゼロになることは無く、最低でも「MGUK」でエネルギーが回生されます。
Battery

左の両画像ともに「MGUH-Mode」は「Battery」設定です。
左側の画像はバッテリー残量がゼロで回生エネルギー残量が有ってもモーター駆動によるパワーアシストの配分は「0%」になってしまいます。

右側の画像は回生エネルギーの残がゼロでバッテリー残量が有るとモーター駆動によるパワーアシストの配分は「5%」程度にしかなりません。
一度、回生エネルギーがゼロになると「MGUK」でエネルギーを回生しても直ぐに回生エネルギーゼロになってしまいます。ただし、バッテリー残量がゼロにならないようにモーター駆動によるパワーアシストの配分がコントロールされます。



6.エアロダイナミクス(Aero)
ウィング、スポイラーなどのエアロパーツを調整しダウンフォースを得ることによって車の挙動を安定させたりタイヤのグリップ性能を引き出したりします。
エアロダイナミクス設定(フロント、リア)

フロントスポイラーorウィング リアウィングorフラップ 影響
数値及び角度を小さくする 数値及び角度を小さくする ・フロント及びリア共にダウンフォースが弱くなるため最高速度は高くなります。
・コーナリングスピードは低くなるので中速及び高速コーナーでのスタビリティが悪くなります。
数値及び角度を小さくする 数値及び角度を大きくする ・フロントよりリアのダウンフォースが強くなりフロントタイヤよりリアタイヤのグリップが高くなります。
・フロントタイヤのグリップが低いのでフロントタイヤが外へ逃げアンダーステア傾向になります。
数値及び角度を大きくする 数値及び角度を小さくする ・リアよりフロントのダウンフォースが強くなりリアタイヤよりフロントタイヤのグリップが高くなります。
・リアタイヤのグリップが低いのでリアタイヤが外へ逃げオーバーステア傾向になります。
数値及び角度を大きくする 数値及び角度を大きくする ・フロント及びリアのダウンフォースが強くなるため最高速度は低くなりますがコーナリングスピードは高くなります。
・中速及び高速コーナーでのスタビリティが良くなります。
高速サーキットでは最高速度が高くなる空力設定にし、テクニカルサーキットでは最高速度よりコーナリングスピードが高くなる空力設定にします。
また、車の挙動安定やタイヤのグリップ性能を引き出すためにはエアロダイナミックス以外にダンパーやサスペンションの設定も重要になります。


7.ホイールアライメント(Alignment)
足回りのキャンバーやトーを調整します。
ホイールアライメント設定

1)キャンバー(Camber)
車を正面から見た時のタイヤの倒れ角度を表します。

キャンバー(Camber)


キャンバー(Camber)の説明
ポジティブキャンバー タイヤの上部が外側へ傾いている逆八の字状態を言います。
【利点】
・ステアリングの操舵力が軽くなります。
・直進時のタイヤグリップが良くなるので加速性能や制動性能が良くなります。
【欠点】
・コーナリング中のタイヤと路面とのタイヤグリップが低下するので旋回性能が悪くなります。
・コーナリング中はタイヤの外側に荷重がかかるためタイヤの温度が上昇し易くなります。
ネガティブキャンバー タイヤの上部が内側へ傾いている八の字状態を言います。
【利点】
・コーナリング中のタイヤと路面とのタイヤグリップが高くなるので旋回性能が向上します。
【欠点】
・直進時にタイヤが抵抗となり加速性能が低下します。接地面積も減少し制動距離が伸びる場合があるので極端なネガティブキャンバーにす・るのは注意が必要です。

2)トー(Toe)
車体を上から見た時のタイヤのトー(つま先)の角度を言います。
トー(Toe)

トー(Toe)の説明

トーイン(+(プラス)Toe)

進行方向に向かってタイヤ角度が内側に向いている状態を言います。
・ブレーキング時のスタビリティ(安定性)が良くなります。
・タイヤ温度が上昇し易くなります。
・ターンインが遅くなります。
【フロントトーイン設定】
・発進時とターンイン時のスタビリティを良くします。
・ターンイン初期のグリップを減らします。
【リアトーイン設定】
・直進安定性と制動力が向上します。
・ターン中の抵抗が増加しアンダーステア傾向になります。

トーアウト(-(マイナス)Toe) 進行方向に向かってタイヤ角度が外側に開いている状態を言います。
・ブレーキング時のスタビリティ(安定性)が悪くなります。
・タイヤ温度が上昇し易くなります。
・ターンインが速くなります。
・ミッドターンのグリップが低下します。
【フロントトーアウト設定】
・ネガティブキャンバーのアシストに役立ちます。
・ターンイン初期のグリップを良くします。
・中速コーナーでの横方向のグリップを減らします。
【リアトーアウト設定】
・オーバーステア傾向になります。
・後輪が急激に横滑りしスピン状態に陥りやすくなります。
トーゼロ(0(ゼロ)Toe) 進行方向に向かってタイヤ角度が付いていない状態を言います。
・最高速度が高くなります。
・タイヤ温度を抑えることができます。
フロント及びリアのトー設定による挙動の変化 トーの角度を付けると走行抵抗になるのでエンジンパワーや駆動方式に影響を受けやすくなります。

8.ダンパー(Dampers)
ダンパーを調整することによって車の挙動を安定させます。
ダンパー設定


ダンパー(Dampers)の説明

バンプ(フロント)(Bump - FRONT) 値を高くする

・車の敏捷性が向上します。(シケインでのステアリングの切り返しが向上します。)
・ハンドリングのフィーリングと切れ味が良くなります。
・ブレーキングが安定します。
・フロントタイヤの温度が上昇し易くなり、摩耗も早くなります。
・値を高くし過ぎると横方向のグリップが低下しアンダーステアになります。

値を低くする ・車の挙動が予測し易くなります。
・タイヤ温度上昇と摩耗が抑えられます。
・ブレーキングの正確性が低くなります。
バンプ(リア)(Bump - REAR) 値を高くする ・車の敏捷性が向上します。
・ハンドリングのフィーリングと切れ味が良くなります。
・加速した時にはスナップ・オーバーステア、ブレーキング時にはリフトオフ・オーバーステアになるなどオーバーステア傾向になります。
値を低くする ・車の挙動が予測し易くなります。
・加速した時やブレーキをリリースした時の安定性が良くなります。
・ドリフトの正確性が悪くなります。
・タイヤ温度の上昇や磨耗を抑えることができます。
FSTバンプ(FST Bump) ダンパーが縮み始める時の設定。
値を高くする ・スプリングの圧縮を制限し車が跳ね上がるのを抑えます。
・ギャップを跳ね返りが激しくなります。
・縁石やこぶでを越えるときはよりナーバスになります。
値を低くする ・こぶや縁石を越えた時でもサスペンションがエネルギーを吸収してくれます。
・設定値が低過ぎると、車が跳ね返り不安定になることがあります。
リバウンド(フロント)(Rebound FRONT) 値を高くする ・加速時の安定性とシケインのような素早い方向変化での安定性が増します。
値を低くする ・加速中のアンダーステアを抑えます。
・車の方向変化の動きが鈍くなります。
リバウンド(リア)(Rebound REAR) 値を高くする ・旋回する場合、ゆっくりしたターンインでの敏捷性が良くなります。
・ブレーキング時やターンイン開始のタイミングで安定性が悪くなります。
値を低くする ・ターンイン開始のタイミングで安定性が良くなります。
・シケインなどで素早く向きを変える時にリアの慣性運動を誘導することができます。(オーバーステア傾向になります。)
FSTリバウンド(FST Rebound) ダンパーが伸び始める時の設定。
値を高くする ・サスペンションの伸縮が遅くなります。設定値を高くし過ぎると、縁石やこぶ通過後のサスペンションの戻りに時間を要します。
・空力特性が良くなります。
・連続する縁石やこぶの通過ではサスペンションが十分に働かなくなります。
値を低くする ・サスペンションの伸縮が速くなりますが、タイヤのバウンドを誘発し、路面との接地が悪くなり、縁石やこぶではグリップが低下します。

9.サスペンション(Suspension)
サスペンション設定

サスペンション(Suspension)の説明
アンチロールバー(フロント)
(Ant-roll bar(ARB) - FRONT)
値を高くする
(硬くする)

・ロールを抑えます。
・俊敏性と安定性が向上します。
・ターンインが速くなります。
・フロントのグリップを失うことがありますが、サスペンションの調整で制御することができます。

値を低くする
(柔かくする)
・中速のコーナリングでのグリップが良くなります。
・ロールし易くなります。
・正確性と敏捷性が低下します。
・ターンインが遅くなります。
・バンピーなトラックでは安定性重視のために値を高く設定します。
アンチロールバー(リア)
(Ant-roll bar(ARB) - REAR)
値を高くする
(硬くする)
・ロールを抑えます。
・ドライバーの操作に対し機敏に反応します。
・リアのグリップが低下しますが、サスペンションの調整で制御できます。
値を低くする
(柔かくする
・トラクションが良くなります。
・ロールし易くなります。
・敏捷性が低下します。
・ターンインが遅くなります。
・バンピーなトラックで安定性を重視する場合は、設定値を減らし柔かくします。
ホイールレート(フロント)
(Wheel Rate - FRONT)
ホイールレートはバネレートと似ていますが車輪が上下する時の移動量を設定します。
値を高くする ・サスペンションを硬くます。
・ダイレクトで正確なハンドリングになります。
・応答性が良くなります。
値を低くする ・ハンドリングがゆっくりとした反応になります。
・一般的には、サスペンションを硬くするとグリップは低下しますが、サスペンションや他の調整により制御できます。
ハイト
(Height)
値を高くする ・バンピーな路面を走行する際に車体の底を打たないようにし、スプリングを柔かく設定することができます。
・ブレーキング、加速、コーナリング中の重量の移動が増加します。
・フロントを高くするとアンダーステア傾向になります。
・リアを高くするとオーバーステア傾向になります。
値を低くする ・ブレーキング、加速、コーナリング中の重量の移動が減少します。
・フロントを低くするとアンダーステアを抑えます。
・リアを低くするとオーバーステアを抑えます。


10.サスペンション-拡張(Suspension Adv.)
サスペンション-拡張設定

サスペンション-拡張(Suspension Adv.)の説明
パッカー(フロント)(Packer - FRONT) パッカーは車高を調整するスペーサーです。
値を高くする ・バンプを越えた時のサスペンションのストロークを減らします。
・応答性が良くなります。
・空力によるピッチングを抑える効果が低下します。
・ブレーキングが安定します。
値を低くする ・バンプを越えた時のサスペンションのストロークを増やします。
・フロントの動きが予測可能になります。
・ブレーキング時に空力によるピッチングを抑える効果が高くなります。
パッカー(リア)(Packer - REAR) 値を高くする ・リアの応答性が良くなります。
・加速時に空力によるピッチングを抑える感度が減ります。
値を低くする ・リアのトラクションが向上します。
・加速時に空力によるピッチングを抑える感度が上がります
変動量(Travel Range) 値を高くする ・バンプストップする前のサスペンションの動く範囲を増やします。
値を低くする ・バンプストップする前のサスペンションの動く範囲が減ります。


11.全般(Generic)
全般設定

全般(Generic)の説明
エンジンリミット(Engine Limit) エンジン回転数のレブリミッターを制限します。(設定範囲は96%~108%で車種によって異なります。)
値を高くする(100%以上にする) ・パワーが増え、加速が良くなります。
・エンジンにダメージを与えやすくなり信頼性が低下します。
値を低くする

・パワーが減少し、加速が悪くなります。
・エンジン回転数を低く抑えるので信頼性が向上します。
・シフトダウン時にはオーバーレブすることがりエンジンにダメージを与えます。

ブレーキバイアス(Brake Bias) フロント及びリアのブレーキバランスを制御します。(設定範囲は43%~80%)
値を高くする
(フロントブレーキの制動力を高くする)
・ブレーキングが安定します。
・フロントタイヤがロックし易くなり、コントロールし難くなります。
値を低くする
(リアブレーキの制動力を高くする)
・旋回時の敏捷性が良くなります。
・リアがロックし易くなるため、安定性が低下し、スピンし易くなります。
ブレーキパワー(Brake Power) フルブレーキング時の制動力を制御します。(設定範囲は80%~100%で車種によって異なります。)
値を低くする(100%以下にする) ・ブレーキング時にタイヤがロックし難くなります。(特にロックし易い車種には効果があります。)
・制動距離が伸びてしまいます。


12.ドライブトレイン(Drive Train)
ドライブトレイン設定

ドライブトレイン(Drive Train)の説明
デフパワー(Diff Power) トラクションがかかる時にデフをロックすることによりホイールが空転しないようにします。
値を高くする ・トラクションが増加します。
・回転していない方の車軸に駆動力を与え、左右均等に駆動力を与えます。
・後輪駆動ではオーバーステアになります。
・前輪駆動ではアンダーステアになります。
値を低くする ・左右のタイヤの回転に差を与えます。
・トラクションが減少します。
・安定性は向上しますが、タイヤが空転するためタイムロスになり、タイヤがオーバーヒートを起こす可能性もあります。
デフコースト(Diff Coast) ブレーキング時や惰行しての走行時に、左右の車輪が同じ回転速度になるように制御します。
値を高くする ・ブレーキングが安定します。
・ターンイン時の車の動きが鈍くなり、アンダーステアになります。
値を低くする ・ブレーキングが不安定になります。
・旋回時の敏捷性が良くなります。
デフプリロード(Diff Preload) デフにかかるトルクが設定値と等しくなるまで、デフをロックさせます。ロックしたデフは、「Diff Power」または「Diff Coast」で開放されます。
値を高くする ・ターンイン開始時の敏捷性が良くなります。
・急激に駆動力を与えるとトラクションを失ったり、挙動がナーバスになったります。
値を低くする ・安定性が向上します。
・トラクションがかかるようになります。
・設定値を高くし過ぎると、「Diff Power」や「Diff Coast」の特性を上回って、車のフィーリングがタイトで旋回し難くなります。


13.アンダーステア対策
コーナー進入時、クリッピングポイント付近、コーナー脱出時のどこのタイミングでアンダーステアが出るのかを把握します。
1)コーナー進入時にアンダーステアになる場合
フロントが外に逃げないようにフロントのグリップを最大限に確保する必要があります。
・フロントのホイールレートを柔かく(設定値を低くする)する。
・フロントダンパーのバンプを柔かく(設定値を低くする)して、リバウンドを硬く(設定値を高くする)します。
・フロントウィングの設定値を高くしてフロントのダウンフォースを上げます。
2)クリッピングポイント付近でアンダーステアになる場合
コーナリング中に車がロールした時のタイヤのグリップが減らないようにします。
・ フロントのキャンバーをネガティブキャンバー(ーキャンバー)を増やす設定にします。
・リアのトーをイン側に設定します。
3)コーナー脱出時にアンダーステアになる場合
・フロントの車高を低くする。
・フロントダンパーのリバウンドを硬く(設定値を高くする)し、リアダンパーのバンプを柔かく(設定値を低くする)します。
設定項目 フロント リア
ホイールアライメント(Alignment) キャンバー(Camber) ネガティブ 0
トー(Toe) イン 0
ダンパー(Dampers) バンプ( Bump) 低く 高く
リバウンド(Rebound) 高く 高く
サスペンション(Suspension) アンチロールバー (Ant-roll bar(ARB) ) 柔かく 硬く
ホイールレート(Wheel Rate) 低く 高く
ハイト (Height) 低く 高く


14.オーバーステア対策
オーバーステアはFR車に出やすいステアリング特性です。オーバーステアはパワーオの時にリアのトラクションが不足し、加速しないで駆動力が横方向に逃げてしまう状態です。
・リアのホイールレートを低く設定し、リアダンパーのバンプを低くし、リバウンドを高く設定します。
・リアのアンチロールバーを柔かくし、リアのグリップを良くします。
・リアウィングの角度を強くしてリアのダウンフォースを増やします。ただし、最高速度が伸びなくなります。
設定項目 フロント リア
ホイールアライメント(Alignment) キャンバー(Camber) ネガティブ
トー(Toe) イン
ダンパー(Dampers) バンプ( Bump) 高く 低く
リバウンド(Rebound) 高く 高く
サスペンション(Suspension) アンチロールバー (Ant-roll bar(ARB) ) 柔かく
ホイールレート(Wheel Rate) 高く 低く
ハイト (Height) 高く 低く


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