2005/05/13公開

顔を動かすだけで視点をコントロールする
           TrackIR3 Pro + Vector Expansion
です

レーシングシムでは、視点移動をキー操作で行いますが、視点が急に変わるため違和感があるのとキー操作を行うためヘタッピーな私だとハンドリングをミスしたりします。また、ピットアウトする際に接近しくる車がないか確認しながらピットアウトしているとピットウォールにぶつかっちゃうという失態をシバシバやっちゃってました。世の中には優れものが存在していて、顔を動かすことによって視点を移動させてバーチャルリアリティな世界を実現する「ヘッドトラッキングデバイス」がPCの世界でも既に発売されていて、米NaturalPointが開発した「TrackIR」があります。これの3作目となる「TrackIR3」が昨年の10月に発売されていて、それよりも高性能な「TrackIR3Pro」が同じく発売されていて、更に6軸の動きを実現してくれる「Vector Expantion」というのも発売されていました。皆さんの参考になればと思います。


1.TrackIR3Pro + Vector Expantion


TrackIR3 Pro
TrackIR3Proは、読み取りが120回/秒という高速な読み取りを実現しています。ノーマルバージョンのTrackIR3だと読み取りが80回/秒と低くなっています。
付属品はTrackIR3Pro本体、TrackIR Software Ver4.0.022、フライトシミュレーター2004用ソフト、反射シール、マウント・クリップ、日本語マニュアルが入っています。
Vector Expansion
Vector Expantion付属の3点反射板を使用することによって6軸の動きを実現してくれます。
付属品は、Vectorクリップ(3点反射板)、TrackHat(帽子)、フライトシミュレーター2004用ソフト(TrackIR3Pro同梱品と同じ)、Vector Activation コードが記載されたカード、日本語マニュアル、カタログが入っていました。
Vector Expantion に対応しているのは、TrackIR3とTrackIR3Proで、TrackIR及びTrackIR2は対応していませんので購入には注意してください。
Vectorクリップを帽子に取り付け
Vectorクリップの金具をたわませて、帽子のつばに挟みます。
TrackIR3Pro本体をディスプレイの上に設置
TrackIR3Pro本体とVectorクリップとの距離は70cm前後になるようにしてます。頭の上下の動きを確実に捕らえことができるようにディスプレイの上に設置しました。
ディスプレイの下に設置したとき上下の動きの捕捉が良くなかったです。



2.TrackIR Software 設定

TrackIR3ProをUSB接続すると、ドライバーを要求してきますのでTrackIR Softwareをインストールすると必要なドライバーと各種設定できるソフトがインストールされます。

Vector ExpansionのActivate画面
TrackIR Software Ver4では、Activationを行うことによって「Vector Expansion」を有効にします。
Vector Expantionには「Vector serial」と「Vector hash」の記載されたカードが同梱されていますので、そのコードと必要項目を入力するとActivation完了です。
TrackIR Softwareを起動
TrackIR Softwareを起動して、3点反射板の受光状態や感度状態を確認します。センタリングは「F12」キーを押します。ゲーム起動していても「F12」キーでセンタリング可能です。
Traking画面を見るとグリーンの箇所が有効で、TrackHatのつばについている反射部分はレッドになって無効になります。
帽子のつば先端に縫いこまれている反射部分に反射率の低い素材のテープで隠して誤動作防止を行った方がいいですが、私はこのような対策を行っていませんが、いまのところ誤動作は経験していません。
Profile画面
Profile画面では、3軸タイプの「Dot」に変更可能です。
各軸(Axis)のカーブエディター
各軸(Axis)毎に感度調整が可能です。




各Position毎のValue

レーシングシムProfileのサンプルだと今ひとつ動きがシビアすぎてしまうので、いろいろなサイトを検索してみて試してみましたが、下記の設定が一番いいように思いました。

Smoothing 30
Position 0 2 5 10 20 30 40 50
Axis Yaw 0 1 3 4 5 9 12 22
Pitch 0 1 1 2 3 4 7 20
Roll 0 0 2 3 4 5 7 15
X 0 2 4 4 4 4 5 14
Y 0 2 4 4 4 4 5 14
X 0 2 4 4 4 4 5 14


上記の設定にしたProfileファイルです。
「C:\Program Files\NaturalPoint\TrackIR4\Profiles」の「Racing.xml」を上書きしてください。

2005/5/12現在、TrackIR3に対応しているレーシングシムは「GTR」「Richard Burns Rally」「Grand Prix Legend」(GPLShift+ V0.7が必要)、「NASCAR SimRacing」「Live For Speed」「F1 Challenge 99-02」となっています。
TrackIR対応ゲーム

GTR
右コンソール部分に視点を移動したところ。
いままで見れなった箇所を見ることができるので違った印象になります。
「Ferrari757」のカーボンステアに顔を近づけて見るとカーボン部分が非常リアルなのが良く判ります。
バーチャルミラーを使用しなくても、車内やサイドミラーで十分後方確認ができます。
それと、コーナリング中はコーナー前方を見る視点移動が自然にできるようになります。




3.使用した感想

1)より実車に近い環境

ゲームは「GTR」しか試していませんが、視点移動はカクカクすることはなく、かなりスムーズに行われます。最初はちょっと戸惑いますが、すぐに慣れてコーナリング中は自然とコーナーの先を見ることができるようになり、実車を操作している感覚にかなり近くなったように思います。また、視点移動を手でいちいち操作していたときよりも、ドライビングに集中できるようになりました。だからと言ってタイムが縮まることはありませんでしたけどね。
この手のパーツは、うたい文句はいいんだけど、実際に使ってみるとちょっと実用的じゃないなって言うのがPCパーツではよくあることですが、どうしてどうして、この「TrackIR3Pro」はなかないい感じで使えます。「TrackIR3Pro」で約2万円、「Vector Expantion」で約7千円と安いものではないので購入にはちょっと勇気が要りましたが、使い始めると手放せないです。







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